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『補聴器と認知症の関係①』

2023年7月27日

高齢になるにしたがい認知症を患う人も増えてきます。

補聴器を使用することで認知症を防ぐことができるという研究結果があります。補聴器と認知症の関係について解説します。

日本の補聴器の使用率

難聴には軽度難聴、中等度難聴、高度以上の難聴があります。

難聴の人の中には補聴器を使用する人も少なくありません。

しかし、全員が所有しているわけではなく、むしろ持っている人は欧米と比較するとかなり少ないのです。

 

軽度難聴の人の中で、補聴器を持っているのは1~2%程度です。

中等度難聴になると補聴器がないと聞き取りが難しくなりますが、それでも所有している人は全体の約3分の1に限られます。

高度以上の難聴になると、補聴器を着けていないと生活にかなり支障が出るでしょう。それでも所有している人は全員ではなく、85%ほどにとどまります。つまり10人に1~2人は補聴器を持っていないのです。

 

難聴は、加齢や高血圧などと同じく、認知症の危険因子に含められるようになりました。認知症対策として難聴は放置できないのですが、耳が遠くなったことを改善するのは難しいため、補聴器の使用が推奨されるのです。

難聴と認知症の関係

そもそも、難聴はなぜ認知症に関係するのでしょうか?

難聴になると認知症のリスクが上がるのは、周囲から得られる情報量が変化することが理由です。難聴になると、周囲から情報を得るのが困難になります。脳に伝わる耳からの情報が減少することによって、脳の働きが低下してしまうのです。

 

また、情報を得ることができないために、他の人が何を言っているのかがわからない、会話ができない、といったことを繰り返すようになり、周囲の人と関係を持つことを嫌がるようになります。社会との交流も少なくなって孤立し、精神的なストレスを抱えて抑うつ状態に陥ってしまいます。日々の刺激が減少し、認知機能が低下することによって、認知症になってしまうのです。

まとめ

日本における難聴の人の中で、補聴器を使用している人はそれほど多くありません。高度以上になると大多数の人が使用しているのですが、中度以下の場合は非常に少ないのです。難聴の人が補聴器を使用しないまま生活していると、外部からの情報を得る機会が少なくなり、他の人との会話もなくなるため、認知症のリスクが高まってしまいます。認知症予防の観点からも、難聴の場合にはきちんと補聴器を使用しましょう。



 

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