花粉症のメカニズム
2023年4月20日
花粉症は鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの症状を引き起こす病気です。
具体的にどのようなメカニズムで起きるのでしょうか?
花粉症そのもののメカニズムは鼻腔内や目に入ってきた植物の花粉に対するアレルギー反応です。
花粉が入ると、体内に抗体が生成されてマスト細胞(肥満細胞)に結合します。
アレルゲンが侵入すると、マスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、アレルギー反応が起こるのです。
実は、鼻と目とで花粉症のメカニズムは多少、異なります。
それぞれのメカニズムについて、解説します。
花粉症による鼻の症状のメカニズム
花粉症の原因となるのは、空気中に漂う花粉です。
呼吸と共に花粉が鼻の中に侵入することで、鼻水が出てくるのです。
花粉が鼻粘膜に付着すると、抗体が作られ、マスト細胞と結合すると、ヒスタミンやロイコトリエン、トロンボキサン、PAFなどのアレルギー反応を誘発する化学伝達物質を放出します。
鼻の症状は、主に知覚神経が刺激されることで起こります。
知覚神経から分泌腺に伝達された場合、鼻水が出てきます。
知覚神経が刺激され、くしゃみ中枢に伝達された場合、くしゃみが生じます。
化学伝達物質が鼻甲介を刺激した場合は、炎症を起こし、血管も拡張します。場合によっては、腫れることもあります。症状としては、鼻詰まりが中心です。
花粉症は、花粉を吸いこんだからといって、必ず発症するものではありません。
よく言われているのが、体内に蓄積される花粉の量が体の許容量を超えた時に発症するということです。
ただし、近年では、花粉の量や外的要因が体の免疫力を超えると花粉症が発症するとの考え方が出てきています。
花粉症による目のかゆみのメカニズム
目のかゆみやくしゃみは、花粉を追い出すために行われています。
花粉が目の粘膜にあるマスト細胞に付着した場合は、ヒスタミンなどの物質が放出されます。
放出された物質は、目の細胞や血管を刺激することで、充血や目のかゆみ、涙が出るなどの症状が表れます。
充血は物質が血管を刺激して血管を拡張させることで起こります。
血管の表面にヒスタミンとヒスタミンH1受容体が付着することで、血管を刺激するのです。
目のかゆみは、ヒスタミンH1受容体とヒスタミンが知覚神経を刺激することで起こります。
涙が出るのは、知覚神経が異常を発して涙腺神経を刺激するのが原因です。
まとめ
花粉症は、外から侵入した花粉を除去しようとする防衛本能です。
花粉は体内に入る量が増加したり免疫力が乱れたりすることで、発症します。
発症すると鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどで非常につらい思いをすることになってしまいます。
マスクなどを着用して花粉をあまり吸い込まないようにしましょう。
発症した場合は耳鼻咽喉科を受診し、アレルギーの原因を特定し、対策を取りましょう。
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