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『鼻茸と好酸球性副鼻腔炎について』

2024年4月15日

副鼻腔炎になると、鼻茸というポリープができることがあります。慢性副鼻腔炎の症状の1つである鼻茸とは、いったいどのようなものなのでしょうか?また、鼻茸が再発しやすい好酸球性副鼻腔炎についても解説します。

鼻茸とは?

慢性副鼻腔炎になり、長い間炎症が続いていると、鼻の中に鼻茸ができてしまいます。鼻茸は鼻ポリープとも呼ばれます。鼻の中にできるキノコのような形状のふくらみで、慢性副鼻腔炎になった患者のうち1~2割、約20万人にできているといわれています。

 

鼻茸ができるのは、主に鼻の奥にある空気の通り道のところです。中鼻道にできたものを中鼻道ポリープといい、鼻詰まりの原因となります。嗅裂にできた嗅裂ポリープは、匂いの判別を阻害するため、食べ物の味がわかりにくくなります。

 

鼻茸は手術により切除できますが、再発するケースがあることが問題です。2020年に保険適用となった「デュピルマブ」は、鼻茸の縮小や鼻づまり、嗅覚障害や味覚障害の改善などが期待できる抗体薬です。再発したときにのみ使用できますが、保険適用とはいえ価格が高く、負担を軽減させるために医療費助成制度を活用する必要があるなど、少々ハードルが高いことが難点です。

再発しやすい好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の中でも特に再発しやすいのが、好酸球性副鼻腔炎です。一般的な慢性副鼻腔炎が主に細菌やウィルスなどが原因で起こるのとは違い、アレルギーを起こした時に増加する好酸球という白血球の一種が、鼻の粘膜やポリープに過剰に集まり発症します。また、患者のほとんどが成人であるといった特徴があります。両方の鼻に鼻茸ができ、手術しても再発をくりかえす可能性が高いため、厄介な病気といえるでしょう。

 

好酸球性副鼻腔炎は、ステロイドの内服で症状がよくなりますが、服薬をやめると再発しやすいという問題があります。そうした中、好酸球性副鼻腔炎の治療薬として注目されているのが、前述したデュピルマブです。分子標的薬で、副鼻腔内の粘膜の細胞に存在する受容体と炎症を引き起こす分子との結合を防ぎます。鼻茸のサイズ縮小や嗅覚障害の改善、副鼻腔手術回数および全身ステロイド薬の使用回数減少などの効果が期待できる薬です。慢性副鼻腔炎を何度も再発している場合には、医師からデュピルマブの使用を提案されるかもしれません。金銭的な負担なども勘案したうえで使用を検討しましょう。

まとめ

鼻茸とは、慢性副鼻腔炎になった時に鼻の中にできる鼻ポリープです。鼻茸があると呼吸がしづらくなります。そのまま放置しているとどんどん大きくなっていき、鼻の中を塞いで鼻呼吸ができなくなるなど、生活に支障が出るでしょう。

鼻茸が特に再発しやすい好酸球性副鼻腔炎は、近年デュピルマブという薬が注目されています。再発時に使用でき、保険が適用されるものの高価です。ただ、手術回数減少などの効果が期待できる薬であるため、好酸球性副鼻腔炎をくりかえしている場合には、医師に相談することをおすすめします。口腔内の乾燥でお悩みの方は、是非、当院にご相談下さい。

 

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