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10億人の若者に危険がある、ヘッドホン難聴とは?

2023年1月6日

2022年11月15日に、医学誌のBMJグローバル・ヘルスで、世界中で10億人以上の若者に難聴の恐れがある、という研究結果が発表されました。
いわゆる、ヘッドホン難聴と呼ばれる難聴の一種ですが、ヘッドホン難聴というのはどのようなものなのでしょうか?
その原因や症状について、解説します。

ヘッドホン難聴とは?

ヘッドホン難聴というのは、長時間大音量で聴き続けることが多い場合に起こる難聴のことを言います。
音楽を聴いたり、TV番組や映画などを視聴したりする際、日常的に大音量にしている人に起こる可能性が高いものです。

BMJグローバル・ヘルスに発表した論文執筆者のローレン・ディラード氏によれば、現在の12歳から34歳の世界の若者のうち、ヘッドホン難聴になる可能性がある聴き方をしているのは6億7千万~13億5千万人にもなるとのことで、最悪の場合は聴覚を失う可能性もあると指摘しています。

音楽などを、大音量で長時間聴いていると、耳の中にある感覚細胞や構造が疲弊してしまいます。
その状態が続くと耳に負担がかかり、ダメージが恒常化することで、耳鳴りが起きたり難聴になったりする可能性があるのです。

欧米で安全な騒音レベルとして定められているのは、85デシベルで週40時間程度です。
しかし、BMJグローバル・ヘルスの研究によれば、安全ではない聴き方をしていると、1日2時間半ほどで92デシベルに相当するとのことです。

スマートフォンで音楽を聴いていると、105デシベルまで音量を上げていることもあり、場所によっては110デシベルを超える音に長時間晒されることもあります。

ヘッドホン難聴はヘッドホンばかりが原因ではない

「ヘッドホン難聴」という言葉から、ヘッドホンやの使用が原因で難聴になるというイメージを持ってしまうかもしれません。
しかし、大きな音を長時間聴くという状態が、ヘッドホンで音楽を聴く場合に多いだけで、それ以外でも同様の症状が起こることはあります。

代表的なのが、コンサート会場やクラブなどです。
このような場所の音量は、ヘッドホンを装着して大音量で音楽を聴いているのと変わりません。
そのため、ヘッドホンを付けていなくてもヘッドホン難聴になる可能性は十分にあります。

ヘッドホン難聴はいきなり聞こえなくなるのではなく、少しずつ進行して徐々に聞こえにくくなっていくため、自覚しにくいケースが多いのです。
ただし、100デシベル以上の大音量の場合は、突然難聴が生じることもあります。
重症化すると回復し辛くなるので、違和感があった時には、すぐにでも耳鼻科を受診することが大切です。

まとめ

ヘッドホン難聴は、現代の若者が直面する大きな問題です。
ヘッドホンの性能が高くなり、ワイヤレスなどで使いやすさも向上して音漏れもしにくくなったため、大音量で好きな音楽を聴く人も増えています。
また、コンサート会場やクラブのように、大きな音が流れる場所に長時間いる場合も、難聴になる危険性は高まるのです。
大音量で音楽などを聴くのを避けるのはもちろん、音の大小に関わらずヘッドフォンで長時間音を聴き続けるのは避けて、違和感が生じた場合は耳鼻科に相談しましょう。

次回は、音の大きさdB(デシベル)について投稿します。
日常生活の音が何dBに該当するのか、おおよその基準をお伝えしたいと思います。
是非、参考にしてください。

 

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