『メニエール病の難聴の特徴について』
2025年6月16日
耳が急に聞こえにくくなる急性感音難聴になったときに疑われる病気として突発性難聴とメニエール病があります。どちらも内耳の病気で聴覚や平衡感覚に影響があるという点が共通しており、判別が難しいこともあります。
発症に関する違い
突発性難聴は、片側の耳で起こる高度の感音性難聴が主な症状で、発症するまでの前兆がなく突然発症します。耳鳴りや耳閉感を伴い、高度の難聴であることが多く、治療しても治癒に至るのは3割程度とされています。回転性のめまいを伴うケースもありますが、メニエール病のように繰り返すことはないことが特徴です。症状の進行については、通常は数時間から数日以内に進行していきます。詳細な原因は不明ですが、ウイルス感染や血流障害が関連していると考えられています。
一方、メニエール病は、発作性の回転性めまいや耳鳴り、低音域を中心とした感音性難聴、耳閉感などの症状が特徴です。めまいは発作性の激しい回転性めまいであり、10分程度から数時間にわたって持続し、何度も再発を繰り返すのが特徴で、発作が起きたときに吐気や嘔吐を伴い、日常生活に支障をきたすこともよくあります。低い音が聞こえにくくなり、発作を繰り返すごとに聴力がだんだんと悪化していき、高音域にも影響が出るようになることもあります。難聴は発作が起こっているときには悪化しますが、発作が治まると一部が回復するケースが多いでしょう。詳しい原因は不明ですが、内耳にむくみができる内リンパ水腫が主な原因として考えられています。
診断基準の違いは?
突発性難聴とメニエール病ですが、診断において区別する基準となるのは何か解説します。
突発性難聴は、突然、片側の耳に難聴が起こっていて、聴力検査で感音難聴であることが、診断基準になります。難聴に加えて、めまいがある場合、めまいを伴う突発性難聴といいます。また、MRIで聴神経腫瘍や脳血管障害などが起こっていないことを確認することも重要です。
メニエール病の場合は、繰り返し起こる回転性めまいと聴力に変動があることが診断基準になります。聴力検査で初期には低音優位の感音難聴を確認でき、病状が進行すると、めまい発作がおこるたびに聴力が悪化していくことがあります。前庭機能検査や内耳MRIによって内耳の状態を確認することが重要です。
まとめ
突発性難聴とメニエール病は、急に耳が聞こえにくくなるという症状が共通しています。
突発性難聴の場合、片側の耳が聞こえなくなり、高度難聴では、難聴が治癒せず、残ってしまうことが珍しくありません。
メニエール病の場合、回転性めまいとともに、低音域の難聴から始まり、発作が治まれば回復しますが、繰り返すようになると難聴が進行していくこともあります。
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