『喉仏の周辺が痛い時に疑いのある病気①甲状腺炎』
2025年2月10日
喉の中心にある喉仏が痛む場合は、いくつかの病気が疑われます。
そのうちの1つに甲状腺炎がありますが、果たしてどのような病気なのでしょうか?
また、甲状腺炎には亜急性甲状腺炎と慢性甲状腺炎がありますが、この2つは何が違うのでしょうか?
今回は、甲状腺炎について解説します。
甲状腺炎とは?
喉仏の下には、甲状腺という甲状腺ホルモンを分泌する器官があり、新陳代謝や自律神経の働きを調整するなどの役割を担っています。甲状腺で炎症が起こることを甲状腺炎といいますが、甲状腺炎には亜急性甲状腺炎と慢性甲状腺炎があるのです。
亜急性甲状腺炎とは、甲状腺の中で炎症が発生し、痛みや発熱などの症状が出る病気のことをいいます。
原因ははっきりとはしていません。しかし、風邪のような症状に続いて起こることが多いため、ウイルスのほか、遺伝も関係していると考えられています。甲状腺の痛みや腫れ、発熱が起こる他に、血中の甲状腺ホルモン値が高くなって息切れや動悸などの症状が現れることもあります。
一方、慢性甲状腺炎は橋本病とも呼ばれ、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなってしまう甲状腺機能低下症の代表的な疾患です。体を細菌やウイルスなどから守ろうとする免疫が、自分の臓器や細胞を標的にしてしまう自己免疫疾患の1つで、甲状腺に慢性的な炎症が起こります。炎症によって甲状腺組織が徐々に壊されてしまい、甲状腺ホルモンがつくられにくくなり分泌が減少するのですが、こちらも原因は明確ではありません。
喉仏が痛んでいるわけではない
甲状腺炎になると喉の中心に近いところが痛むため、喉仏が痛んでいるように思えるかもしれません。
しかし、実際は喉仏が痛くなっているわけではないのです。痛みがあるのは、喉仏の下にある甲状腺であり、嚥下のときや触った時に起こる軽い痛みや、何もしていないのに耳や胸元まで広がってしまう強い痛みもあります。
また、甲状腺の腫れは、全体的に腫れることもあれば、左右のどちらかだけが腫れることもあり、時間とともに腫れや痛みが移動していくこともあります。
まとめ
喉仏の周辺に痛みが生じたときは、もしかしたら喉仏の下にある甲状腺という甲状腺ホルモンを分泌する臓器が炎症を起こしているのかもしれません。
甲状腺が炎症を起こすことを甲状腺炎といいます。
甲状腺炎には亜急性甲状腺炎と、橋本病とも呼ばれる慢性甲状腺炎があり、この2つは症状に若干の違いがあるのです。
痛みが生じているのは甲状腺であり、人によっては時間の経過とともに痛みや腫れが移動していくことがあります。
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