『鼓膜穿孔について』
2025年1月13日
鼓膜に起こる問題として最も多いのが鼓膜穿孔ですが、具体的にどのような状態をいうのでしょうか?
また、鼓膜穿孔が起こる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?鼓膜穿孔と原因について解説します。
鼓膜穿孔とは?
鼓膜が何らかの原因で敗れたとき、ふさがらずに残った孔が鼓膜穿孔(こまくせんこう)と呼ばれるものです。
音はまっすぐ耳に入ってきて聞こえるのではありません。
外耳、中耳、内耳、蝸牛神経、大脳と順番に振動が伝わることで、音として理解できる形になります。
しかし、鼓膜に孔が開いていると情報の伝達が上手く行かなくなるため、音が聞こえにくい、いわゆる難聴の状態になるのです。
また、鼓膜に孔が開いていると外部から細菌などが侵入してくることがあり、中耳炎の原因になって耳漏などを引き起こすこともあります。
鼓膜穿孔が起こる原因は?
鼓膜穿孔が起こる原因となる慢性中耳炎とは、急性中耳炎が再発したり長引いてしまったりしたことで鼓膜に穴が開いた状態を指します。耳鳴りや耳漏などの症状が起こりますが、さらに悪化するとめまいが起こることもあり、治療しなければ難聴も徐々に悪化していきます。
鼓膜に耳かきや綿棒などがぶつかる、飛行機やスキューバダイビング等気圧の急激な変化にさらされるといった原因によって鼓膜が破れた状態を、外傷性鼓膜穿孔と呼ぶのです。外傷性鼓膜穿孔は突然鼓膜が破れるために痛みが生じるだけでなく、難聴やめまい、耳鳴り、出血などが伴うこともあります。
耳の中で炎症が起こって粘膜から分泌された滲出液が溜まると、滲出性中耳炎になってしまいます。音が聞こえにくくなるものの、通常の中耳炎の様に耳が痛くなったり、発熱してしまったりすることはありません。薬を内服したり、耳に空気を抜かすことで、中耳に溜まった滲出液が排出されれば、自然に治りますが、鼓膜切開や鼓膜チューブ留置が必要になることもあります。
しかし、治療をしたことで鼓膜が破れたまま閉じなくなってしまい、孔が開いたままの状態になってしまうことも稀にあります。
まとめ
鼓膜が破れたり、孔が開いたままになったりした状態のことを、鼓膜穿孔といいます。
鼓膜穿孔ができると、音が全く聞こえなくなるわけではありませんが、聞こえにくい状態になる可能性があります。
鼓膜穿孔の原因として、急性中耳炎を繰り返してなる慢性中耳炎や、鼓膜に何かがぶつかったり急激に気圧が変化したりすることで起こる外傷性中耳炎が挙げられます。また、耳の中に滲出液が溜まる滲出性中耳炎の治療の後に穴が残ってしまうこともあります。
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